▼ドラマ『女王の教室』第2話 女王の根拠

女王の教室

日本テレビ系 毎週土曜日21:00~

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 第二話です。相変わらず面白いこのドラマ。前回あった「日本の社会というのは、上層にいる6%の人間が特権を持っていて、残りの人間は不公平の中、それらの人間の都合のいいように動かされている」という話と並んで今回も「企業の中で本当に仕事をしているのは30%にすぎず、50%は何もしていない、残りの20%は足を引っ張る人間」という話が語られます。この二つの話はよく出てくる話で、わたしもいろんなところで見聞きしています。しかし、この6%や20%の数字の根拠ってどこにあるのでしょう? こういった話が最初に述べられている文献などには、その事の根拠が証拠とともに明確に提示されているのでしょうが、不勉強な私はそれがどこにあるか知らないのです。ドラマの中でもこの話は何によるものなのかは一切触れられてはいません。この手の話っていかにも「そうだ! そのとうりだ!!」って納得しそうな話なので、その根拠が提示されないまま独り歩きしているような気がするんですよ。もしこれがいかにも事実そうだからという理由だけで、その根拠を明確なままにせず、脚本に使っているのだとしたら、阿久津先生の教育理論そのものに説得力がなくなってしまいます。根拠がなければ「日本社会は上層6%の人間が特権を持つ」も「世界はユダヤ人の陰謀によって動かされている」「アメリカ政府はすでに宇宙人と取引していて、人類は陰謀に巻き込まれている」といったトンデモ話と変わらなくなります。

 ただ阿久津先生の目的はもっと別のところにあってその目的を遂行するためであれば、手段は関係ない。つまり、生徒を管理するにあたってそれに説得力を持たせるためには、6%や20%の話が詭弁であっても構わない。とするならばその事が事実であろうと無かろうと、相手は小学生だから論破される心配も無いので有りだとは思います。

 生徒の親たちが集団で学校に抗議に来た時、阿久津先生が「一人づつ、お話を聞きます」と返した時は、さすが阿久津先生頭いい作戦! って思いましたよ。ただ親は自分の子と自分の生活を守るためなら、どんなことでもするから、阿久津の迫力に逆ギレしたPTA役員が、「そんな時間はありません。あなたがそんな高圧的な態度なら、教育委員会に訴えます」と、とっとと、集団で帰ってしまったら? 阿久津は美人で迫力があるから、人によっては個人で立ち向かう事にビビってしまう可能性は充分に有り得る。そうなったらもう個人相手に説き伏せる事は難しくなる。その時、阿久津ならどうするつもりだったのか? その点をさりげなくドラマの中で説明できれば、ご都合主義の展開とは感じず、より面白くなったと思う。このドラマは阿久津先生の行動に穴が無ければ無いほど、彼女の魅力がアップすると思うので、そこら辺をきっちりとフォローしていってほしいのですよ。

 もう一つ今回で、阿久津先生が尾行、盗聴、身辺調査など興信所並の地味な活動を数人の生徒に対してしていた事が判明。もちろんここで対象となった三人の調査を行っただけで、も充分ブラフにはなるので、全生徒を調査してるとは考え難いのだけど、いざという時のために全生徒の弱みを握っているのだとしたら、人を雇っているとすればすごい経費。自分でしているとなればすごい労力だ。並の覚悟で教育を行っているわけではないという事だ。

 ラスト、阿久津が一人の女の子を何やら新しい作戦に引き込もうとしたところで終わった。また次の展開が楽しみ。この番組からは当分目が離せそうにありません。

 今回は和美とひかるの関係にあまり進展が無かったので、次に期待。

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