▼終わらない歌、終わらない物『リンダ リンダ リンダ』

リンダリンダリンダ山下敦弘 監督

公式サイト

 吉祥寺で映画「リンダリンダリンダ」を見てきました。青春映画好きで、ブルーハーツ好きの私が見ずして誰が見る?

 まず、淡々とした演出の青春映画だなと感じた。映画「ロボコン」もこんな風だったし。

 テレビドラマの青春物とちがって、登場人物の描き方に過剰さがなくてリアリティ高いのがいい。特に男の先生(甲本雅裕)が、美人の生徒にはあまりはっきりとものがいえない所とか、女の子たちの家の生活感など。

 青春映画にブルーハーツは反則だと思う。だってブルーハーツ流れたら誰だって心躍るでしょ? 誰だって血が騒ぐでしょ? 安易だと言われてしまいかねない。しかしその安易さも青春であって、やっぱり有りなのだな。

 ブルーハーツの歌は年を取らない。そのブルーハーツを女子高生に演奏させ、ボーカルに韓国人を使った点で、もうこの映画は有りだったんだろうな。

 香椎由宇演じる恵の周りから浮いてしまうくらいの美人の高校生と、前田亜季演じる響子の普通に可愛い女の子のコントラストがとても良かった。凛子役の三村恭代が個人的には注目している女優で「チルソクの夏」に出ていた時もとても雰囲気良くて、今回もかなり存在感あってすばらしい(映画「害虫」、TVドラマ「六番目の小夜子」にも出ていたらしいけど記憶に無い)。他にもヴォーカルのペ・ドゥナ、ベースの関根史織(Base

Ball Bear)、山崎優子(me-ism)、湯川潮音とアクの強い連中つかってもこれだけ浮かずにサラリと見せた監督は巧い。

 私の場合、日本の青春映画は独特の空気感がある事が重要で、その空気感によって作品の好き嫌いが出てしまう。この作品の空気感はとても良かったので、見ていて映画がずーっと続いてもいいかなと思ってしまった。なんか青春時代というか、高校時代というか、文化祭の準備期間が永遠と終わってほしくないように。

 かけがえのない時間や出来事はどんどん過ぎ去っていってしまうけど、これからも僕たちはブルーハーツを口ずさんでいこう。どんなに年をとったとしても、これだけは永遠に終わらない。

愛じゃなくても 恋じゃなくっても 君を離しはしない

けして負けない 強い力を 僕は一つだけ持つ

ザ・ブルーハーツリンダ リンダ リンダ」より

リンダ

リンダ リンダ オフィシャルブック

リンダ

リンダ リンダ (小説)

「リンダ

リンダ リンダ」オリジナル・サウンドトラック

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