▼『サマータイムマシン・ブルース』夏のバカたちに捧げるブルース

"Summer Time Machine Blues"
本広克行
Japan(2005)
Official
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 はっきりいって面白過ぎ。テンポ良く、アイディアに溢れた脚本に、本広監督の持つ間とたたみかける演出で、エンターテイメントしています。やっぱりタイムトラベルものは面白い! つーか、タイムトラベルネタでつまらない作品作ったりしたらもう罪だな。本広監督の前作『交渉人 真下正義』もエンターテイメント映画を目指して作られたらしいけど、脚本とか細部に難があって、いまいちのりきれなかったが、今回は脚本がいい!! ヨーロッパ企画という劇団が公演した演劇が元で、まあ『サマータイムマシン・ブルース』ってタイトルからしていかにも小劇場っぽいでしょ。ここの脚本家上田誠は今後も要注目ですよ。

 ストーリーとか細い点は書かない方が絶対面白いんで、何も情報仕入れずに、だまされたと思って映画館に行ってください。

 若くて、パワーには溢れているのに、バカでどうしようもない連中が、夏の熱さにやられてパワーダウンした時にこそ、ブルースは似合います。そんな夏のブルースにに火をつけるものといったらタイムマシ〜ンしかないわけで、夏Xバカ大学生Xタイムマシン=『サマータイムマシン・ブルース』上映館拡大でロングラン間違いなしです。

 出演者"SF研"の連中が大学生なのに瑛太以外みな、二十代後半にしか見えないのが、バカっぽさを増長してていい。カメラクラブの女性二人もSF研をバカにしているわりには感覚ずれてていい。上野樹里は『ジョゼと虎と魚たち』『チルソクの夏』『スウィングガールズ』と見てきましたが、どれも好演。次の『笑う大天使(ミカエル)』も期待します。

 五重の塔なんかが立つさびれた地方都市のロケーションも良く、意味もなくノスタルジーかもし出しています。

 いくつかの細い伏線とかチェックするためにリピーターも多く出てくるでしょう。スタッフロール終了後、左上に意味あり気に記されていた”#01”の文字の意味は? まさか編集変えて何バージョンも作るわけではないですよね? DVDとかスペシャルエディションとか出るだろうけど、買っちゃうなたぶん。

 映画の中には暑苦しい夏が詰め込まれているのに、映画館はクーラー効き過ぎで寒っ! 後半震えてたよ。



ノベライズ: サマータイムマシン・ブルース
シナリオetc: サマータイムマシンブルース +(プラス) !
ORIGINAL SOUND TRACK: SUMMER TIMEMACHINE BLUES