▼『エリザベスタウン』ダウナーでアップアップ…


"Elizabethtown"
NTV
USA(2005)
Official
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 この映画の予告編を見たときロードムービーなのだと思った。仕事に失敗し絶望にくれていた時に父の死を知らされて、アメリカ大陸を父の亡がらと一緒に旅する話なのかと思っていた。が実はそれはほんの一部だった。

 この映画、はっきり言って9割が主演オーランド・ブルームのアップシーンである。いや、9割は大げさかもしれないが、そう思えるほど彼の顔のアップばかりである。

 冒頭で彼は仕事の失敗をすべて自分のせいにさせられて、八年ものキャリアのある仕事をクビになる。そのとき本社で彼を迎える社員たちの冷たい視線。けなげにも「大丈夫」といって気丈に振る舞うが実際は身体はガタガタ、心はボロボロである。実はこのシーンの主人公の気持ちが私には痛い程よくわかる。本当によくわかる。あの視線にもあの状況にも…

 そんな感じで感情移入はよくできるのだけど何かオーランドのアップ見てるとそんなのも薄れてきてしまう。

 彼は父の故郷で、いろいろな体験をすることで絶望から這い上がっていく。自分の身内の意外な一面をみたり、様々な生き方を見ることでいろいろと学んでいくのだけど、結局一番の力となったのは、自分を必要とする者の存在に気づくことであった。

 キャメロン・クロウ監督らしいアメリカを描いた映画にもなっていてよいのだが、日本人であるせいか、理解できない部分も多々あった。

 たとえば、火葬か土葬かでもめるあたり。彼はなぜ寸前になって火葬をやめようと思ったのか?

 そんな感じで共感できたのは最初だけで、後半は何か感情移入できませんでした。

 でも妹役で出てたジュディ・グレアは好きな女優なので良かったかな、出演シーン少なかったけど。

CD:
「エリザベスタウン」オリジナル・サウンドトラック