『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #05

「第8話 アダムと肋骨」
サルトル実存主義と創世記などにみられるキリスト教的な考え方を対比させていて面白い。
「人間はまっ白い紙であり、そこに何を書くかは人間自らが決定していくことであり、それゆえに自由であり、それを自覚することが何より大切である」というサルトルの主張に対して聖書は「最初に神の意志があって人間の存在も存在の意義も神の意志による」というものである。
日本人の感覚はどちらかというと自然とサルトルに近い。ここら辺を理解しとくと西洋の考え方がしっくりくるのでは? 
私的には「神は人間の作り出したもの。人間の意志によって生まれた産物」という考え方だからサルトルに近い。日本人はそんな風にいくつもの神を創造していった。神も始めはまっ白。神=紙、同じ読みなのは偶然ではないかも?

旧約聖書を知っていますか (新潮文庫)