『楽しい中央線 3』太田出版

めずらしく出版者さんから本をいただきました。 よしながふみさんと太田光代(爆笑問題の事務所の社長で、太田光の奥さん)さんの阿佐ヶ谷に関するインタビューを読みました。私は住んでいるわけではないですが、阿佐ヶ谷大好きです。この前は駅前でジャズフ…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #10

オープンソース現象とマス・コラボレーション 1.オープンソース現象とその限界 オープンソースの不思議な魅力 「オープンソース」のルーツは60年代末のUnixにある。インターネットによりそれが拡大されリナックスの大成功がある。この「知的リソースが自発…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #09

ブログと総表現社会(続き) 4.組織と個とブログ 信用創造装置・舞台装置としてのブログ ある人物と会うときには、事前に検索エンジンなどを使って相手のことを調べておくことが自然になってきた。その意味でブログは信用創造装置として機能している。また…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #08

ブログと総表現社会(途中まで) 3.玉石混交問題の解決と自動秩序形成 検索エンジンの能動性という限界 玉石混交から「玉」を探し出す作業を行えるのは暇人だけである。この問題の解決に大きなブレイクスルーがなければ、新聞・雑誌などのパッケージングさ…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #07(要約)

ブログと総表現社会(途中まで) 1.ブログとは何か 面白い人は100人に1人はいる ブログが社会現象として注目されるようになった理由は二つある。一つは「量が質に転化した」から。ブログの総数が数万のときと、数百万のときでは質の高いブログのそろい方が…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #06(要約)

ロングテールとWeb2.0 (続き) 3.Web2.0・ウェブサービス・API公開 Web2.0とは何か Web2.0の定義については現在でも議論が続いているが、「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #05(要約)

ロングテールとWeb2.0 (続き) 2.アマゾン島からアマゾン経済圏へ アマゾンのウェブサービス インターネットの時代が到来した1995年ころはWindows95とナローバンドによる常時接続の時代だった。それから10年近くたって可能性を追求し尽くしたわけではない…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #04

ロングテールとWeb2.0 (途中まで) 1.「ロングテール現象」とは何か (要約) ・しっぽの長い恐竜ロングテールという言葉は2004年から米国で少しづつ使われるようになった。物の売れ行きを多い順に並べてグラフで表したとき、市場に出ている商品で多く売れ…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #03

第二章 グーグル-知の世界を再編成する(続き) 5.グーグルの組織マネジメント (要約) ・情報共有こそがスピードとパワーの源泉という思想従来の組織内では情報は隠蔽され一部の者から一部の者へ伝わり解決される事柄だった。だから組織内で貴重な情報を…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #02

第二章 グーグル-知の世界を再編成する(途中まで) グーグルの実現する民主主義 (要約) ネットバブル崩壊後のシリコンバレーは2000年11月を境に衰退しつつあった。そんな時Googleは台頭し始めた。 ・世界政府が開発しなければならないはずのシステムGoogl…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎 #05

「第3部 古今のテクストを読む」(続き) 平野啓一郎『葬送』 自作の登場です。ショパンとドラクロワを主人公に二月革命前後のヨーロッパ社会を描いた長編。 ここではドラクロワの師でもあったジェリコーという人物について、短いながらも効果を上げるた重層的…

『ウェブ進化論』梅田望夫 #01

平野啓一郎が「はてな」でブログを始めました。http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/ 読んでいたら梅田望夫との対談を新潮新書から出すとのことです。 最近ウェブ関連の本が流行っているわりには読んでいないことに気づき、その対談を読むための準備も含…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎 #04

「第3部 古今のテクストを読む」(続き) 川端康成『伊豆の踊子』 川端康成の文章のミスを使った問題が出されていた。「さようならを言おうとした」のと、「うなずいた」のは誰かという問題だった。一読、流れからして二つとも”踊子”だと思ったが、注意深く読…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎 #03

「第3部 古今のテクストを読む」(続き) カフカ『橋』 翻訳物の登場です。前回までの語句を丁寧に解釈していくやり方が翻訳ものだと、訳と原文の間に生まれる微妙な誤差によって解釈が違ってきそうな気がしたけど、翻訳に関しての注意は特に書いてなかったの…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎 #02

「第3部 古今のテクストを読む」 この章から実践編 夏目漱石『こころ』 作品の中でキーワードとなるものを探し、その言葉が様々な場所でどう呼応しているか考えながら読む。 作中に疑問文が出てきたら要注意。作者が読者の疑問や反論に答えようとしている可…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎 #01

特に読書の仕方の本が読みたいわけで買ったのではない。平野啓一郎の小説以外の文章やインタビューが好きだからだ。小説の方は難解で最後まで読めそうにないからチャレンジしていないけどいつかは読みたい。 「序 本はどう読めばいいのか?」 私はかなりの遅…

『レイコ@チョート校』岡崎玲子 #01

古本屋で100円だったので買ってしまった。チョート校とはアメリカにある名門の寄宿制私立高校チョート・ローズマリー・ホール校のことで、ここに留学した女の子の話。かなりのエリート校で特殊だけどアメリカのハイスクールってどんな感じか興味あったので読…

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #09

「第11話 予言者二人」 今回は預言者の話。イザヤとダニエルについて。 イザヤ書には「ダビデ王の血筋から救世主が出てくる」とイエス・キリストの登場が預言されているところがポイント。その後キリストを中心に書かれた新約聖書と旧約聖書結ぶところでもあ…

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #08

「第10話 ヨブは泣き叫ぶ」 今回のヨブのエピソードは面白い。大まかな話は、正直者で信仰も厚く多くの財産を擁しているヨブという男がいた。神とサタンがそのヨブの信仰心の大きさを試すためにありとあらゆる不幸を彼に下す。というい神の自尊心を満足させ…

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #05

「第9話 逃亡者ヨナ」 ヨナ、アルタヤ、ユディトのも三つのエピソードを紹介。やはりなんと言ってもヨナである。『ピノキオ』にクジラに飲み込まれてその中で生活する話が出てくるけど、その原型となる大魚に三日三晩飲み込まれて吐き出される男の話。 私が…

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #05

「第8話 アダムと肋骨」 サルトルの実存主義と創世記などにみられるキリスト教的な考え方を対比させていて面白い。 「人間はまっ白い紙であり、そこに何を書くかは人間自らが決定していくことであり、それゆえに自由であり、それを自覚することが何より大切…

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #04

「第7話 ソロモンの光と陰」 知将だったソロモンにより繁栄の時代を迎えたイスラエルだけど、その後国は分裂、そして侵略などされて西暦70年には国をも失ってしまう。その後二千年近い長きにわたってイスラエル人は国を失っている。にもかかわらず、血筋を残…

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #03

「第5話 サムソンの謎」 著者の阿刀田は聖書のサムソンのエピソードを、イスラエルに同化された少数民族の英雄譚が混入したものと考察している。確かにイスラエルの神の存在感が薄いエピソードだし、俗っぽくもあるので、なるほどなと思った。だが、そもそも…

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #02

「第4話 有能なヨシュア」 ヨシュアはモーセ亡き後、指導者となってカナン地を奪還した人です。このカナン奪還にあたってルーマア・ポリティックスという、噂をまき散らし、噂の力によって大衆を操作する政略を巧みに行った知将らしいです。ただ聖書にはそれ…

『ユナイテッド93』プログラム

これによると、『ユナイテッド93』の撮影に乗客の遺族はかなり協力的だったようです。機内での出来事は地上にかかってきた電話から推測するしかないのですが、変にドラマ性とか取り入れなかったために、機内で起こったことはかなりリアリティが高いと感じま…

『絵画の探偵術』島本浣/岸文和 #01

「第一部 解釈編 1物語る絵画 a旧約の世界」 美術の勉強も始める。が、旧約聖書のダイジェストが語られているだけだった。これも道のりは長いね… 絵画の探偵術

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高 #01

今日から少しずつキリスト教のお勉強。私は西洋の文明が大好きだけど、キリスト教は好きになれない。なのに夢はいずれサンティアゴ巡礼を徒歩で行うことである。なので今から数十年かけてヨーロッパとキリスト教のと西洋美術のお勉強を始めます。壮大な道の…

『日本一怖い! ブックオブザイヤー2005』

「島田雅彦インタヴュー」 一昨年末の本だけど、棚にあったのが目についたので久しぶりに島田雅彦インタヴューだけ読む。 「何らかの形で社会にコミットしていわけですから、そのコミットの様態がはっきり表れていないのはみなファンタジーです。結局ベスト…