『ウェブ進化論』梅田望夫 #05(要約)

ロングテールWeb2.0 (続き)

2.アマゾン島からアマゾン経済圏へ

  • アマゾンのウェブサービス
    • インターネットの時代が到来した1995年ころはWindows95とナローバンドによる常時接続の時代だった。それから10年近くたって可能性を追求し尽くしたわけではないが、第二世代に入ったという気分が横溢してきてこれからの世界をWeb2.0と称するようになった。
    • その中でも先駆的にWeb2.0化していったのがAmazon.comだ。創業者ジェフ・ベゾスAmazonのテクノロジー・インフラに寄生しなければ生きていけないような世界を思い描いた。そして始めたのが「アマゾン・ウェブサービス
    • Amazonは自らの持つ膨大な商品データを使って、誰もがビジネスを起こせるよう、無償で公開した。開発者向けにもプログラムを開発しやすくなるよう工夫を凝らした。結果小売業者が自由にAmazonの商品を売れるようになった。Amazonウェブサービス経由での売り上げから15%の手数料を取れるので、Amazon自身のサイトよりウェブサービスの方が利益率が高くなった。
  • サーチエンジン最適化
    • Amazonは早い時代から戦術・戦略レベルにおいて、検索エンジンの重要性を見抜いていた。
    • 全ての人が検索エンジンを経由して目的のサイトにたどり着くなら、検索の結果の上位にAmazonのサイトが出れば、ユーザーがサイトを訪れるチャンスがぐっと上がる。現在でいうSEOサーチエンジン最適化)の重要性を既に2002年に意識していた。Googleを始めとする検索サイトは多くのサイトからよりリンクされているものが上位に来る。ウェブサービスが結果として大量のリンクをサイトにもたらした。
    • AmazonSOEをしっかりと意識したウェブサービス展開を仕掛け、ロングテール追求のの連鎖を生み出した。
    • ネットビジネスにおいても、これまでのIT産業同様、テクノロジーをベースとしたプラットフォーム事業が成立することがわかり、それがWeb2.0の新しい展開を促した。

早い時期から、検索エンジンの重要性を見抜き、SOEの利用やウェブサービスの開放など、一つの行いが、二重三重の結果を生み出すシステムを生み出したAmazonの経営の頭の良さには脱帽です。Amazon.co.jpに「この商品を買った人はこんな商品も買っています」が登場したときはその的確さにけっこう驚きましたね。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)