『週刊お宝TV』「少年ドラマシリーズ なぞの転校生」 NHK BS2
昔のNHKの番組を紹介する番組。初めて見る番組だけど、「少年ドラマシリーズ なぞの転校生」を取り上げていたので見た。
この『なぞの転校生』をリアルタイムで見ていたわけではないが、小学生のころ図書館にあった、学校を舞台にした、少年たちの出てくるSF小説が大好きだった。眉村卓は『ねらわれた学園』『なぞの転校生』『まぼろしのペンフレンド』なんかにワクワクした。
だからこの『なぞの転校生』もNHKの少年ドラマシリーズで見たくて昔DVDを買ってしまった。今見ると起伏の少ないドラマに見えてしまうが、当時これを見ていた中学生たちに取ってはとても怖かったのだろうなと想像してしまう。
私が小学生のころに読んだ光瀬龍の『作戦NACL』という小説の冒頭、修学旅行で電車に乗っている主人公たちが、無表情で均質な中学生の集団と遭遇するのだけど、その見た目は人間なのに機械のような冷たい印象をあたえる不気味さにゾクゾクしたものだった。
この番組内でも紹介されていたけど、マンションの一室から無表情な人たちがずらっと出てくるシーンは不気味だ。
ちなみに私は以前この不気味な集団をモチーフに小説を書いたことがあるので、ひまな人は読んでみてください。
『アフタヌーン・スーツトレイン』Afternoon Suit Train
- ふと目覚めると、電車に乗っていた。しかしそれは奇妙な体験だった。
それとこのドラマのもうひとつの面白さに、野外の場面も室内のセットで撮られているというのがある。今回の番組内で説明されていたけど、それは当時ロケにはかなりの費用と手間がかかったからだそうだ。しかし、この室内セットがいい味出している。林の中、丘の上など、私は通学路のセットが何ともいえず好きだ。
以前NHKで『六番目の小夜子』というドラマをやっていたけど、そのドラマが大好きだった。このドラマは「少年ドラマシリーズ」が好きだった恩田陸が原作小説を書いていて、「少年ドラマシリーズ」が好きだったスタッフがドラマを手がけている。小説もドラマも少年ドラマシリーズチルドレンの作品といえる大傑作だった。
NHKでも民放でもいいから、野外のシーンもオールセットで撮った中学生たちが主人公のSFドラマを作ってくれないかな…