『ユアン・マクレガー 大陸横断-バイクの旅 Episode 3』Long Way Round DVD

Episode 3:異郷の宴 ウクライナ

第三回目でやっと旅の行程の映像がメインになります。
天然野郎クラウディオは免許の再試験を受けた後飛行機で飛び、チェコプラハで合流です。
二人はスタートしましたが、なんとチェコまではほとんどダイジェスト版といった感じで一瞬にしてすぎてしまいます。ここら辺のヨーロッパの風景だって私は観たかった。もし、ここら辺がダイジェストである理由が、メインカメラマンのクラウディオが同行していなかったせいだとした許さんよ天然野郎クラウディオ!
ユーロトンネルとかの様子とかもっとしっかり観たかった。ユーロスターらしき物に乗っているシーンが一瞬だけ映る程度。
ユーロトンネル@Wikipedia/ユーロスター@Wikipedia
ユーロトンネル出入り口(Folkestone/UK側)@GoogleMaps
ユーロトンネル出入り口(Calais/France)@GoogleMaps

チェコ@Wikipedia
すぐにベルギーに入りますがここも、そしてドイツも番組内では一瞬で通過。三日目でもうチェコプラハに到着。
プラハ@Wikipedia/プラハ@GoogleMaps
プラハと言えば、プラハ歴史地区世界遺産で有名な観光地、二人はカレル橋の上で似顔絵なんかを描いてもらったりしてすっかり観光客です。
カレル橋@Wikipedia/カレル橋@GoogleMaps
しかし、この番組、観光番組では無いせいで、二人のいる国名や都市名は教えてくれても、具体的な場所の名称までは教えてくれません。ユアンが石造りの部屋で昔の罪人などに使った拘束の道具なんかでふざけてるシーンなんてどこだかわかりません。
カレル橋の他にも、プラハ城、聖イグナーツ教会、ティーンの聖母聖堂なんかが一瞬映されていました。天文時計は少し長かった。まあ、仕方ないけど、テロップくらい入れてほしかった。
プラハではもうひとつ重要なことがあります。クラウディオを待つことです。
ついにクラウディオは免許取得成功。プラハにやってきます。ここからダイジェスト版でない撮影がやっと始まり、本格的にドキュメンタリーが始まりました。
元々イギリスのTV番組だから、あまイギリス、ベルギー、ドイツのシーンを放送しても意味が無いのかもしれないね。

やってることの現実味が少しずつましてきた。もうすぐゴールだってすぐ思ってしまうんだ。バイクの旅は普通2、3日だろ? でもすぐにまた現実に戻るんだ、まだまだ先は長い。

チェコには「人骨教会」という教会があり二人はそこを訪れます。ここは聖なる地での埋葬を求めた人たちの遺骨が多く集まったのですが、埋める場所が無くなり、その骨を装飾品にして教会を飾っているという異色の教会です。
人骨教会
チェコからスロバキアへの国境でスタッフが待っています。プロデューサーのデイビッドとラスは2台のサポート車で同行しますが、各国境でのみ接触します。
彼らはバイクに高級なカメラ機材を積んでいるため、それが売り物でないことを証明するカルネと言う書類が必要なのですが、チェコに入るときそのカルネに必要なスタンプをもらうのを忘れてしまいます。それが無いとスロバキアには入れません。
お気楽イングランド人のチャーリーに対してついにラスがキレて口論となります。なんかこの二人はウマが合わないようです。
で、カルネのスタンプ無しにどうしたかというと、警官に賄賂を渡して無事通過。ここら辺が東欧らしいというか… いくらくらい払ったのでしょう?

スロバキア@Wikipedia
ユアンスロバキアの風景を観てスコットランドのようだと言います。確かにグレンコー辺りの景色に似ているような気がします。
スロバキアの田舎町の道路が寂れた感じで何ともいえません。まさにこういう映像が観たくてこのDVDを買ったのです。でも、時間の関係上そういう風景も一瞬にすぎていってしまいます。もっとじっくり観たいけどそれがバイクの旅なんですよね。
Bojnice@GoogleMaps
Bojniceというユアン曰くおとぎの国のような町に付きます。Bojnice Castleというそんな感じのお城が建っています。二人はここも観光。ここにいた観光客か地元民かはわかりませんが、ユアンの『恋は邪魔者』のDVDを持ってました。待ち構えてたんでしょうか? すごい。
Bojnice Castle@Wikipedia
恋は邪魔者 特別編 [DVD]

ついにウクライナ国境です。ここからは旧ソ連なので二人ともついに来たかという感じで期待と不安がいっぱいそうです。
ウクライナ@Wikipedia
国境ではおじさんが笑いながら「マフィアの強盗に気をつけろ」って忠告してくれました。
ここの国境でもトラブル発生。車両登録書がコピーしか無く、オリジナルが必要だからと入国を許可してくれない。
いろいろと手を尽くすこと13時間、ロシア人コーディネーターの説明によると、入国者が有名な俳優だからということで、ウクライナ外務大臣などが動いて入国が許可されましたということです。さすが有名人!
国境を越えたときはもう真夜中。国境警備隊と親しげに話していた、謎の男が「ホテルに案内してやる」という。辺りは真っ暗でなす術が無いので思い切って付いていくことにする二人。
そして一軒の建物に案内され、そこのすごい豪華な部屋に案内される。マフィアの話を思い出し、不安でたまらない二人。
Uzhhorod辺り@GoogleMaps
しかし朝になって目が覚め、外に出てみるとそこはキレイな普通のホテル。昨夜は暗くてHotelの看板すら見えなかったのだ。案内してくれた男は単なる親切な人だった。
ウクライナに来てやっと遠くまで来たんだと実感する二人。馬車が普通に道を走り鋤や鍬で畑仕事をしている人たちの光景が目に入る。途中では「ウクライナ語り部」のようなおばあさんに出会い言葉は通じなくとも、心は通じましたといった感じでユアンは感激していましたね。ウクライナといえば、日本でも絵本で有名な『てぶくろ』という民話のある国です。おばあさんはその話をしていたのではないかな?(←ねーよ)
てぶくろ (世界傑作絵本シリーズ)
リヴィフのホテルでは、バイクをロビーに置かせてくれました。
Lviv@GoogleMaps
キエフ到着。
Kiev@Wikipedia/Kiev@GoogleMaps
今ちょうど読んでいる『ペンギンの憂鬱』という小説の舞台がちょうどキエフ。町並みが観られるのはちょうどいい。
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
今回の旅はチャリティとタイアップさせているので、ユニセフを訪ね、チェルノブイリの被害にあった子供たちに会います。そういった企画があるため、時間に間に合わせねばならず、かなりの強行軍でここまで来ました。かなり二人とも疲れています。2時間遅刻しました。
ユニセフ@Wikipedia
チェルノブイリ原子力発電所@Wikipedia/チェルノブイリ原子力発電所@GoogleMaps(たぶん)
ここにいる子供たちは白血病甲状腺癌などだけでなく放射線の脳の影響で心理的な問題も抱えているという。子供たちはみな明るく、いたたまれない。
ユアンは俳優になって良かったことに「慈善活動の広告塔になれること」があるという。人にとやかく言われようが、いいことには変わりないのだからと。
翌日、キエフではお祭りが開かれていた。町中で民族衣装を着た人々が踊っている。群衆の中には何故かテレタビーズが。二人と同じ英国人がここにも?
マトリョーシカを売っている屋台があるところが旧ソ連らしくていい。ここの店の若者が、ユアンだと気づいて話しかけてくる。TVでユアンたちがウクライナをバイクで旅していると放送していたらしい。バイクをホテルに置いて観光しているとみんなが「バイクはどうしたの?」と聞いてくる。
マトリョーシカ@Wikipedia
ここでは「キエフ風カツレツ」が名物らしく二人は美味しそうに食べてました。ラグビーボールの様な形のチキンカツレツでした。
キエフ風チキンカツレツ
なんか旅してると、結婚式の風景によく行き会いますね。
給油所で大トラブル発生。給油中にガソリンが止まらなくなり、タンクから溢れ出してしまう。それを止めようとしたユアンの目にガソリンが入ってしまう。こんなトラブル日本ではあり得ないですよね。
目がやられてしまっては旅は続けられない。あわや番組中止かと思われたが、すぐに目を洗浄していたおかげで、すぐに復帰。よかった。
Kharkiv@GoogleMaps

東へ10日間走り続けた、変な感じだ。普通オートバイは朝出て昼に戻るとか、出発した場所に戻るのが普通だ。でもオレらの前には道が延々と続いている、どこまで行っても終わらない。戻ることはない、ひたすら東へ東へ1マイル走るごとに家や家族からはなれていく。

ロシアとの国境に近いクラスニ・リッチという町でホテルを探していたら、ここら辺のホテルはダニが出るぞ、言われる。ある男が私の家に泊まれというのでついていくと、まわりが小さな家ばかりなのにも関わらず、その男の家は大きな物だった。
krasnyy luch@GoogleMaps
イゴーと名乗る男は部屋に案内してくれる。とても広くていい部屋。沢山の靴に服が置いてあってかなりの金持ちそうな家です。
イゴーは片言の英語でいろいろと話をしてくれます。彼はソ連時代は兵士、炭坑夫、漁師などをしていたそうで、今は家電商だそう。
そのうちイゴーの家には友人たちが呼ばれて来てパーティーになる。すると酔ってご機嫌なイゴーが片手にギター片手に大きな銃を持って気分よく熱唱し始める。銃はいわゆるカラシニコフ銃(AK-47)というやつだ。じつはイゴーの家には至る所にカラシニコフ銃が置いてあるのです。単なる家電商がプール付きの豪邸に住んでいて、その家には至る所にカラシニコフが… 苦笑いのユアンたち…
AK-47@Wikipedia
ここではギターを渡されたユアンが弾き語りを聴かせてくれます。これがすごく良かった。『ムーランルージュ』のときのミュージカル風な歌い方よりよっぽど良かったよ。
二人はたいそう不安にかられながら寝ましたが翌日になっても彼らは解放されません。炭坑を見せてあげるからと言われて、断れずについていきますこのシーンはまるでマフィアに人気の無いところに連行されるユアンとチャーリーの様な感じで恐すぎる。ユアンたちの表情もまったく冴えない。
家に戻るとガレージで撮影会が始まります。それが終わってやっと解放? 結局イゴーは何者だったのでしょう。歓待してくれたことは確かですが。
国境に入るときに言われた「マフィア」の一言に振り回されたウクライナの旅ですが、最後のイゴーは本当にマフィア… ???
ロシア国境ではアッサリ通過できました。ユアンが有名人なので、国境警備隊にサインを求められ、みんなで記念撮影です。

  • ロシア

ロシア@Wikipedia
ヴォルゴグラードという町で観光。
ヴォルゴグラード@Wikipedia/ヴォルゴグラード@GoogleMaps
ここは1961年まではスターリングラードと呼ばれていて、第二次世界大戦独ソ戦の激戦地だったらしいです。「スターリングラード攻防戦」って名前だけは聞いたことありますものね。
ボートに乗ってヴォルガ川を下ります。
ヴォルガ川@Wikipedia/ヴォルガ川の船乗り場@GoogleMaps
船から見える「母なる祖国像」がロシアにおける「自由の女神」みたいなイメージなのかな。
母なる祖国像@Wikipedia
川の向こうに虹が見えます。低いアーチですが端から端までキレイに見える虹。いろんな意味でこの低いアーチの虹がこれからの旅を象徴しているかのように思えました。

ユアン・マクレガー 大陸横断~バイクの旅 [DVD]Long Way Round: Chasing Shadows Across the WorldLong Way Round: The Illustrated Edition Chasing Shadows Across the World