『スクールデイズ』守屋健太郎監督 DVD

"school daze"2005年/日本/102分
面白さはまあまあですか。
「暴力を経験すれば、暴力の痛みがわかる」ってセリフを聞いたとき、なんて危険な言葉なのだろう! ってビックリしたのですが、そういった、ドラマなどで語られるセリフの危険性を訴えるような映画になっていたので、またビックリ。
この映画は「人間・失格」とか「女王の教室」といったスキャンダラスな場面を売りにしているドラマの「視聴率を取るためならどんな無責任な脚本だろうが許す」といったところをかなりシニカルに批判しています。
女王の教室」では主人公の女教師が過去にいじめを繰り返す生徒に対して、「人の痛みがわからない生徒に、痛みをわからせるために」暴力を振るったと堂々とドラマの中で言ってました。
人間・失格」では「いじめによる自殺」をテーマにしていました。加勢大周演じる教師が一人だけ「いじめ」を黙認していた罪から逃れるのですが、最終回でその教師は電車にひかれて亡くなります。そのときその教師の背中を押すのは、幽霊の手です。つまり、いじめられて自殺したら幽霊になって復讐しようって事なのでしょうか? というとんでもなく無責任なドラマでした。
この映画はそういった無責任な「テレビドラマ」の功罪を訴えている点で秀逸です。
主人公は最後に家族の絆を取り戻しますが、そのためにはそれ以外の物全てを失ってしまいます。