『アルゼンチンババア』長尾直樹監督 WOWOW

"アルゼンチンババア "2006年/Japan/112分
アルゼンチンババア [DVD]
この監督の映画を見るのは初めて。それに加えてよしもとばななの作品も読んだことが無かったので、どういう映画になるのかあまりわからずに見始めました。
冒頭の数分、主人公ミツコ(堀北真希)のお母さんが亡くなるシーンがあるのですけど、それを含めても映画に引き込まれるよう場面が無いので、最後まで若干の退屈感が続いてしまった。
そもそも原作は小説なので、アルゼンチンババアの姿が直接見れるわけではなく、見れないからこそミステリアスな不思議な存在として、読む人ごとのそれぞれのイメージを持っていたのだろうに、映画では鈴木京香扮するアルゼンチンババアがしっかりと見えてしまうので、全く映画向きでない気がする。
妻の死を受け入れられず逃避し続ける父親(役所広司)に対して、娘のミツコは始めからかなりしっかりした子なので、少女の成長物語としても弱く描かれていたと思う。

堀北真希は、とても可愛いのだけど、同じ歳くらいの他の女優に比べると、何かが少し欠落しているように感じられる。その何かってかなり漠然としていて、うまく言えないのだけど、若い女の子にありがちな、溌剌さというか、軽さというか。ただ、その欠落が彼女を他の女優と違う個性的な存在にしている点でもあり、魅力なのでもあるのだと思う。

アルゼンチンババア (幻冬舎文庫)