『アフタヌーン・スーツトレイン』Miruz

アフタヌーン・スーツトレイン

Miruz
まどろんでいる。
感覚がゆらめいている。身体も小刻みにゆれている。
ガタガタと聞こえてくるノイズが心地よい。
またしばし、まどろむ。
少しずつ、意識が現実に戻されていく。
眼を開けてみた。
明るい、黄色っぽい室内。ガタンゴトンという絶え間ない音。周りを見渡してみる。
電車の車内だった。
電車に乗っていたのか。気持ち良く眠ってたな。
そう言えば、昨夜遅くまで起きていたんだっけ。
よく思いだせないけど、なんかテレビを見ていたような。
何を見ていたんだろうな。そうだ、臨時ニュースをやっていたんだ。
はっきり思い出せない、大きな事件だったような気がするけど。
疲れてるんだなぁ最近。
次はみたかぁー』車内放送がした。
三鷹駅。そうかオレは中央線に乗っているのか。
周りを見渡すと、五十人近い乗客が乗っている。席はほとんど埋まって何人か立っている人もいる。
外は昼間で、黄色の光に照らされて熱そう。住宅街を走ってる。車内は冷房が効きすぎなのか寒いくらいだ。
などと考えていると電車はホームに入った。数人の乗客が降り、グレイのスーツを着た地味なサラリーマンが何人か乗ってきた。
あれっ、どこまで乗るんだっけ。だいたいなんで電車に乗ってるんだ。
今日は仕事なんだっけ。腕時計を見てみる。12時を少しすぎたところだ。
疲れてるんだな、遅くに寝たからな。
でもどこで降りるかわからなかったらまずいだろ。
そうだキップだ、キップを見ればいいんだ。持ってるはずだからな。そう思いポケットを探してみると、すぐに見つかった。
「高尾から890円区間」と書いてある。
高尾から乗ったんだ。
890円ってことは終点の東京までか。東京へなにしに。まあ到着すれば思いだすだろう。
隣を見ると席が空いている。オレの座っている席は車両の一番端の三人席なのだが、他に誰も座っていない。立っている客も多いのだから座ればいいのにと思うのだが。
そんなことを考えているうちに電車は吉祥寺駅に着いた。乗客が数人降り、またグレイのスーツのサラリーマン風ばかりが乗ってきた。今度はグレイのビジネススーツをきた女性もいる。
はやってたっけ。グレイの服って。
また眠気が襲ってきた。しばらく眼をつむっていよう…
『次はなかのぉー』
寝てしまっていたたようだ。
もう中野までている。外はあいかわらず黄色い光が照っていて熱そうだ。
ふと違和感を感じた。周りを見渡してみる。客の半分くらいがグレイのスーツだ。男も女もいるがスーツの客が多い。
今日はどこかでビジネスマンの集まりでもあるのだろうか。
だが違和感は同じような服をきた連中が多いからだけではない。どこかおかしい、なぜだ。スーツを着た連中の顔をながめてみる。
皆それほど特徴のある顔ではない。男はどこかで見たような、でも一度も見たことないような顔ばかりだし、女はみな美人ばかりだ。でもかわいいという感じではなくただ整っているだけの美人だ。年齢も幅がそれほどなく、年寄りはいない。
それで違和感を感じたのか。
どこかの会社の集まりでもあるのだろうか。中野サンプラザあたりかな。そう思うと納得してきた。
それにしてもいくら疲れているとはいえ、記憶がはっきりしないのはなんか薄ら寒い。
東京に着けば何か思い出すだろう。
とにかくまだ寝ぼけてる感じだし。
電車が中野に着いた。また数人降りた。しかし降るのはグレイのスーツでない一般人ばかり。そしてさらにグレイのスーツが乗りこんでくる。それ以外の客は乗ってこなかった。
スーツの男を見つめた。違和感の原因がわかった。
グレイのスーツの連中はみな、背筋をしっかりと延ばして姿勢を良くし、真正面を見つめ続けている。それは吊り革につかまって立っている連中も同じで、直立不動でまっすぐに立っている。姿勢を崩しているのは一般人ばかりなのだ。
こいつらいったい何者だ。
周りを見渡した。外はいぜん黄色く照らされている。中野サンプラザが目に入る。
その時電車が動きだした。
一般人らしき人々の様子をしばしうかがっていたが、このスーツ連中に驚いた様子をみせているものは一人としていない。
気味が悪いから隣の車両に移動しようと、ガラス窓から車両を覗いてみると、同じようにグレイのスーツを着た連中がたくさんいた。どこへ行っても同じらしい。
一見不思議な出来事でも実はなるほどと言う理由があるに違いない。
以前経験した、ある出来事を思い出した。


それは、オレが九段下にある会社に勤めていたときの話だ。
会社の近くにコンビニエンスストアがあり、よく利用していた。どこにでもあるような24時間営業のコンビニで、なんてことのない店だった。
ある土曜日に休日出勤していたオレは夜の九時ごろ会社の同僚と一緒ににそのコンビニに立ち寄った。
店に入った瞬間、オレはグレイスーツを見たときのような違和感を感じた。
あれっ、と思ったが理由はすぐにわかった。店内の半分近くの壁がペットボトルで占められていたからだ。それもすべて500mlサイズのペットボトルでだ。
缶やパックのドリンク類、1.5lサイズのペットボトルも一本もなく、お茶やジュースなど数種類の500mlサイズのペットボトルだけが冷蔵庫の中に並んでいる。御弁当、サンドイッチ、デザート、惣菜類などが置いてある棚にもペットボトルがギッシリと並んでいるため、半分近くの壁が500mlサイズのペットボトルの棚になっていたのだ。
だから弁当類は置いておらず、そのかわりパン類の棚がいつもより多くパンを並べているような気もした。
同僚も不思議に思い、しばしどういうことだろうと話していたが、彼はそれほど不思議に感じていないのか、とっとと会計を済ませていた。
オレはドリンクとパンを買うとき、店員に理由を訊ねようとしたのだが、何か恥ずかしいという思いもあり、何も言わずに店を出た。
しばらくしてその同僚が言った一言で、このペットボトルだらけの謎は氷解した。
「そういえば今日、武道館で24時間テレビがあるんだっけ」
24時間テレビと言えば、日本テレビが毎年武道館で行っているチャリティイベントである。そして、今出てきたコンビニは武道館のすぐそばにあるコンビニなのだ。
だから武道館に募金を持って集まる者や、24時間マラソンのゴールを見に来る者、あるいはスタッフ相手がメインの客になり、500mlのサイズのドリンクが一番需要が高いらしく、今日と明日の間だけの特別処置だったのだろう。
今まで24時間テレビのあるときに休日出勤したことがなかったので、その時の武道館周辺の状況は全く知らなかった。
一見不思議な出来事でも、実は理由があったりするのである。
あの時24時間テレビの事を知らないままでいたら、恐らく一生あのときの出来事は、『九段下コンビニの怪』として心に残ったであろう。
それゆえ今回のグレイのスーツのことも何か理由があるに違いない。わかってみれば、なんだそんなことかといったちゃんとした理由が。


さっきの中野サンプラザのビルのことが頭に浮かんだ。
──あれ、中野サンプラザってあんな感じのビルだっけ。
もう何度も見たことのあるビルなのに、さっき見たのはどこか違和感があったぞ。形が違ってたんだっけ。それとも色かな。どこかが違っているような気がするのだが、どこなのかわからない。うーん、しいて言えば質感が違うような。
そんなとき都庁のビルが目に入った。
──これもだ。
この都庁にもサンプラザに感じたような違和感がある。
だが、具体的に以前見た物とどう違うのかと考えてもはっきり答えが出せない。
そんなバカな。やはり気のせいだろう。それに当面の問題は目の前のグレイのスーツの集団だ。
電車は新宿駅に入った。ホームを見ると驚いたことに、スーツを着た集団がきちっと列をなして並んでいるではないか。一つ向こうのホームにもグレイのスーツが何人もみえる。一般人らしき人も数人見かけたが、何事もないような顔をしている。
電車が止まりドアが開くと、また降りるのは一般人だけ。今度は多くの人が降りていった。そしてグレイのスーツが乗り込んできた。
──これはどこかのテレビ番組の仕掛けだ、そうに違いない。
よくあるだろう芸能人なんかを、騙すドッキリ番組が。たしか一般人にもいたずらを仕掛けて隠し撮りする番組もあったよな。
そうか、今までキョロキョロと不審がっているオレを、どこかの隠しカメラが撮影しているんだな。だから他の一般人も皆『さくら』で何気ない振りをしていたんだ。
なんだ、そうだったのか、焦っちゃたよ。
でもただの素人を騙すのにかなり金かかってないか、このドッキリ。中央線の電車を少なくとも2両以上借りきって、特徴のない顔ばかりこんなにあつめてさ。新宿駅にだってかなりいたぜ、このスーツ連中。
映画の撮影に紛れ込んじゃったのか。だったらカメラやスタッフは。電車はどんどん進んでいるのだから、遠くから望遠で撮影してるわけでも無いだろう。
そう思うとまた、だんだん不安になってきた。思いきって訊ねてみよう。
まずは前の席に座っているグレイのスーツを着た女に聞いてみよう。女はずっとピシッとした姿勢で前方を見ている。その目には生気が感じられない。眼を開いているのに、何も見ていないかのようである。話かけるのがためらわれたが、覚悟して席を立った。
「すいません、なにかあるのでしょうか。みなさん同じ格好をしているようですけど」
女は静かに、そして機械のようにゆっくり首をあげて話し始めた。
「わたしは しごとを しているところです」
抑揚のまったく無い声でそう答えた。その言葉にオレは恐怖した。
──こいつ人間か。
機械と話しているような感じがしたからだ。いや、異物に触れたときのような嫌悪感。その強烈なの。今どき機械だってもっと人間らしくしゃべるぞ。女はまた何事もなかったように正面を向いている。
今度はその近くの吊り革につかまっている、グレイスーツの男に訊ねてみた。
「いったい何事なんです」
男はまた機械のように首を少し動かしておれの方を向くと、また抑揚の無い声で、
「しごとちゅう です」
と答えた。
やはり生気と言うものが感じられない、冷たい声だ。こいつら皆人間じゃないぞ、これを演技でやっているのか。だとしたらとんだ名優だ。
ここにいるスーツのヤツラ全員に話しかけても、同じような答えが返ってくるに違いない。心臓が縮まるような、ぞっとする声で。
──こんなところにはもう居たくない、次の駅で降りよう。
そう思いながら元の席に戻った。座るとき席の上の窓を見ると、シルバーシートのシールが貼ってあった。オレはうっかりシルバーシートに座っていたらしい。なに問題はない、年寄りなんて全くこの車両には乗っていないのだから。乗っているのは奇妙なグレイスーツの集団ばかりだ。冷笑的にそう思い、残った一般人を見渡す。もう六人しかいない。こいつら、何ともないふりしているところを見ると、スーツ集団の仲間か。しかし、彼らの姿勢だけは普通だ、なんとなくだらっとした感じで、居眠りしているのもいる。
一般人に声をかければよかったかな。まぁいいや、オレはとにかく次の駅で降りるのだから。
そして電車は四ッ谷駅に到着した。
降りようと思い外を見ると、ホームにはグレイのスーツしかいないではないか。
いまここで降りても状況は変わらないぞ。かえって悪化するかも。そうおもうと恐怖で身体が凍りついた。悪化するっていったいどうなるというのだろう。
ここでは二人の一般人が降りた。そして二人のグレイスーツが乗ってきた。
ドアは閉まり、電車は走りだした。降りる機会を逃してしまった。
まてよ、さっきから降りた人数と同じ人数のグレイスーツが乗ってきていないか。はっきりと人数を数えていたわけでは無いけれど、そんなような気がする。三鷹で目覚めたときと混雑具合が変わっていないような。それに外の街も、グレイのスーツだらけなのか。
窓から外をながめてみるが、人の姿が見当たらない。車が何台か走っている。そのとき一台の車の中にグレイのスーツの男が一瞬だけ見えたような気がした。
やはり外もグレイスーツだらけなのだ。あの冷たい機械のような者だらけなのだ。
世界はどうなってしまったのだろう。オレはこれからどうすればいいのか。
そうだ他の一般人に話しかけてみよう。彼らが何か教えてくれるかもしれない。
そう思い、一人の学生らしき男の横に立った。彼は吊り革につかまって文庫本を読んでいる。オレはスーツの奴等に聞かれないようにと顔を近づけた。
「なぁ、おかしいとは思わないのかこのスーツの集団。いったい何が起こっているんだ」
男はこちらを向いた。その顔は何かに絶望したような、失意にくれたような顔をしている。
「しかたがないんだよ… もう」
そうつぶやくと、また文庫に眼を戻した。
──こいつも狂ってるのか。
だがさっきのスーツのヤツラのような人間味の無さは感じなかった。ただ絶望を感じている人間というか、覇気というものが感じられなかったけれど、それでもこの学生の方が少しだが、生気のような物を感じる。
他の一般人の方を見てみる。あと3人居るのだが皆座っていて、その真ん前にグレイスーツがしっかりと立っているので近付きがたい。
もう一度ヤツラのあの声を聞いたらオレまで気が狂ってしまう。そんな気がするからだ。いや、オレが狂っているんだろうか。周りはすべて正常で、オレが狂ってしまった。だからこんな幻覚を見ているのだろうか。
「おまえらっ、いい加減にしろっ、オレをはめようとしているなら、もうやめてくれ」
オレは叫んだ。残りの一般人が反応してくれるのを期待して叫んだのだ。しかし声は空しく車内に響いただけで、だれ一人こちらを向いてはくれなかった。
そういば昨日の臨時ニュース、何か凄い事件を伝えていたんじゃないっけ。このグレイのスーツの集団は、そのニュースと関係があるんじゃないか。
しかしニュースの内容がまったく思い出せない。そのニュースを見ていたから寝不足のはずなのに。コンビニのことのような、かなり前のことは思いだせるのに、昨晩のことが思いだせない。中野サンプラザや都庁を見て感じた変な感覚も、これと関係があるに違いない。
とにかく隣の車両に行こうと思い、連結してあるドアの所まで行ってみたが、向こうの車両はもう全てグレイスーツの集団で占められていた。反対の車両も見てみたが同じような状態だった。
電車は御茶ノ水駅に着いた。ホームには四ッ谷駅よりも多くのグレイスーツが並んでいる。ぎっしり並んでいると言っていいほどだ。
降りるべきか。しかし降りれば今よりも遥かに多いグレイスーツに囲まれることになる。それだけはごめんだ。そのときまた一般人が三人降りた。そして乗ってきたのはグレイスーツが三人だけだった。
やはり降りた一般人と同じ人数のグレイスーツが乗ってきているのだ。降りた一般人はこの後どうなってしまうのだろう。降りた連中を目で追ってみたが、すぐにグレイスーツの集団にまぎれて見失ってしまった。
ドアは閉まり、電車は走りだした。
──そうだ運転手や車掌はどうしているのだろう。
確かめに行く価値はあるだろう。オレは進行方向に向かって走り出した。
先頭車両につく間に数名の一般人を見かけ話しかけたが、皆さっきの学生のように絶望しきったようなあきらめの顔で「もう遅いんだよ」とか「どうにもならないよ」とか答えるばかりだった。
先頭車両に付くと、幸い運転席への窓はのカーテンが下りておらず、中が、のぞける状態だった。
しかし、電車を運転していたのは駅員などでは無く、グレイスーツの男だった。どこかで入れ替わったのか。それとも始めからこいつが運転していたのか。
もうどうでもよかった。
電車は神田駅に着いた。あいかわらずホームにはグレイスーツが並んでいる。降りるべきか降りないべきか。どこで降りても同じだろう。もう覚悟を決めた。
──東京で降りよう。
オレは最初から東京に行くつもりだったのだろうし、終点まで行けば謎が解けるのではないか。そんな気がしないでもない。
電車は走りだした。
取りあえず後部車両にいるであろう、車掌の所にでも行ってみるか。だがどうせ車掌もグレイスーツになっているのだろう。それに、最後尾にたどり着くまでに電車は東京に着くだろう。それでも私はとぼとぼと後方に向かって歩き始めた。
不気味なグレイスーツたちの間を抜けて歩き続けていたが、もう一般人の姿は見られなかった。神田駅でみんな降りてしまったのだろう。
オレも神田で降りればよかったのかな。よく考えてみれば、東京へ行くのだと思ったのは、ポケットに入っていたキップが高尾から890円区間だからだという理由だけで、たしか神田も御茶ノ水も890円区間だったのではなかったか。
でももう後の祭りだ、どうしようもない。そう思いながら歩いていると、最初からオレが座っていたと思われるシルバーシートの所までたどり着いた。
疲れたのでそこに腰を下ろすと、ついに東京駅に電車は到着した。
『とうきょうぉー しゅうてんです』
アナウンスの声がする。よく聞いてみれば、この声も機械のよう。
ホームには思ったほど、グレイスーツの姿は見られなかった。しかしドアが開くと、車内のグレイスーツが一斉に立ちあがり、降り始めた。
オレが一人だけ車内に取り残された。
『このでんしゃは かいそうでんしゃとなります』
アナウンスが告げる。
──回送電車になるならここにいてもしょうがないな。
意を決してホームに降りた。グレイスーツたちが整然と階段を降りていく。とにかく駅の外に出よう。そう思いオレも階段を下った。
下の改札口に繋がる通路には、ものすごい数のグレイスーツがいた。一般人の姿はまったく見当たらない。
「本当に、本当に、世界はどうなってしまったんだ」
その時、電車の出発時刻を表示する電光掲示板が目に入った。そこにはこう書かれていた。
”シンリャクカンリョウ”
──どういう意味だいったい。
猛烈な孤独感が襲ってきた
世界はオレ一人になってしまったのか。
周りのグレイスーツたちはオレに目もくれずに歩いている。
取り残されている。
世界の中で、自分がどんどん小さくなっていく
世界の中で、自分がどんどん透けていく
もう耐えられない、独りぼっちだなんて。
──これは夢に違いない。
そうだ、夢なんだ。悪夢をみているんだ。早く夢から覚めてくれ。こんな孤独と恐怖には耐えられない。
どうすれば夢から覚められる。
「そうだ山手線だ」
山手線に乗ってまた眠りにつけばいいんだ。そして目が覚めれば世界は元に戻っているに違いない。
電車内にグレイスーツが、たくさんいたって構わない。シルバーシートがあるからだ。ヤツラはあそこには座らないはずだ。
もし、目が覚めても世界が変わっていなかったら。
でも大丈夫、また眠ればいいのさ。山手線は同じ路線をクルクル廻っているのだから。世界が元に戻るまで、オレは周り、眠り続ければいいんだから…
そしてオレは勢いよく、山手線のホームに繋がる階段をのぼっていった。
Afternoon suit train
1999/10/07初
2001/10/28改