『高校生のための文章読本』梅田卓夫, 服部左右一, 清水良典, 松川由博 編 #001

お勉強新企画第二弾スタート。この本は70人の著者による文章に注釈をつけ、別冊の方で解説を行っている非常に丁寧な作りの本。これを一つずつ読んでいこう。この本は三部作になっていて、他にも『高校生のための批評入門』と『高校生のための小説案内』へと続く。終わったらそちらに進めるかな…


序文で、”人が語るのは、自分の心を人に伝えたいという欲求があるから”であり、この本は「自分の心を自分の言葉で語る」ことを願って作られた。とあります。「自分の言葉」って何なのでしょう? それを探るためにもいろんな人の文章を読んでいこう。
ええ、これも高校生向けだが私にはちょうど良いのだってばさ。

19世紀の写実主義の時代に書かれた、言葉による表現についての真摯な文章。

    • 本文

「これは、文章表現における模倣の段階から独創への飛躍を言い表した文章である。」と解説にある。独創性とは「表現したいものから、まだだれからも見られず、いわれもしなかった一面を、見つけだす」ことだという。それを的確な一語で表現することが重要だと書かれていた。

    • 解説

今はもうとても一語で表現することなど不可能だ。混沌とした世界の中でどのような文章表現ができるのか、それがいかに困難なことかを、これから紹介していく文章で学んでいこう。ということだった。
「的確な一語で描写するということは、逆にいえば、一語で描けないような複雑な現象や感情を、描写の対象から排除することにほかならない」
”独創性の発見は世界の発見と自己の発見と二重の発見である”
モーパッサンの時代と現代を比較することで、この本の序文代わりとなっている章だった。うまい。

高校生のための文章読本