『高校生のための評論文キーワード100』中山元 #02

  • アイロニー
    • 思っていることと反対のことを言った方が、言いたいことがより明確に伝わる場合がある。これがアイロニー。しかしそれは良い側面で、皮肉やあてこすりもアイロニーの一種である。
    • アイロニーのいいところは相手にものを考えさせる点にある。あるメッセージが受動的に受け入れられるより、能動的に受け入れられることによって、より理解が深まる場合がある。
    • アイロニーには相手を傷つけてしまう力がある。相手と同じ目線に立ち、ユーモアやウィットを用いることも必要。

たとえば言葉だけでは表現しきれないメッセージや主題をより明確に、あるいは観念的に伝えるために人は様々な方法を用いてきた。アイロニーもそのひとつである。しかし、それは力を持つゆえに毒にも薬にもなり得るということを自覚しておこう。

高校生のための評論文キーワード100 (ちくま新書(542))