『サッド・ヴァケイション』青山真治監督 新宿武蔵野館

『Helpless』の続編ということなんですが、『Helpless』未見です。観たら『EUREKA』にもリンクしていた。北九州サーガというらしい。『EUREKA』は観ているけど結構忘れているところも多いので、二本ともちゃんと予習して行けば良かったかなと後悔したけど、映画は面白かった。
大いなる母性の前では男なんて… って結構すごい映画でしたよ。自分を捨てた母親(石田えり)に復讐をしようとした健次(浅野忠信)も、結局母親の手の平の上で踊っていただけのような感じだ。
ラストで、借金取りに怯える後藤(オダギリジョー)を膝で抱く梢(宮崎あおい)の母性のすごさ。最後にユリ(辻香緒里)の作る大きなシャボン玉はわかりやすいくらい母性の象徴ですね。そのシャボン玉が割れてびしょ濡れになる滑稽な男たち。
女性は常に現実を見ていて、男は山に登って現実離れしたロマンティックな幻想に浸るのみ。
相変わらず浅野忠信の演技は素晴らしすぎ。この映画、10年前から監督に構想があったらしいけど、青山真治は奥さんのとよた真帆の影響をかなり受けたのだろうな、という気がする。
「男の人は好きにしたらええんよ、こっちは痛くも痒くもない。子供がおるけね」男は絶対女にはかなわないのだろうね。

サッド・ヴァケイション
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