『探偵ガリレオ』第一話 CX

東野圭吾の原作小説のドラマ化。東野圭吾は昔何冊も読みましたが、これは未読でした。
主人公の湯川学(福山雅治)が、いかにも物語に出てくる学者らしく、何事も論理的に考える人間で、こういうキャラクターはとても好き。私自身も物事を常々論理的に考えたい、と思うのだが感情の方が勝ってしまうので、憧れる。
そんな理論的なキャラと、感情優先な非論理キャラ内海薫(柴咲コウ)の相反する二人の掛け合いがこのドラマの肝かなと思ったけど、そこは少し物足りなかった。
しかしこのドラマは面白かった。容疑者(唐沢寿明)が目の見えない人に聞かせる朗読テープを作るボランティアをしている事から「普段は温厚、殺意は無かった」との見解になるけど、物理実験によって、膨大な回数の試行錯誤が必要だと判明し、容疑者の執念深さ、残酷性を浮き彫りにしたところなんかはとても面白い。それだけにとどまらず、人の良さを証明するはずだった朗読テープが、最後に容疑者の冷酷さを示唆してしまうなんて、皮肉も利いていてよかった。さらに「驚かすために生ゴミを焼くだけのつもりだっただけ」という容疑者の当初の言葉も、ラストで"生ゴミ=はた迷惑な若者たち"と供述させることによって「生ゴミを焼くだけのつもり」という最初のセリフにしっかりと殺意が含まれていたことをわからせるなんて、何重にも伏線が張ってあって、とても良い!! 次回も楽しみだ。
でも少しキャスティングに難が。
物理学者役の福山雅治はとてもはまり役で良いと思うが、ヒロイン役の柴咲コウともう一人の女性レギュラー検死医の真矢みきが、二人とも似たような顔つきで、かぶっているような。女性レギュラーが少ないのだから、もう少し違うタイプをキャスティングしても良かったのでは? もう一人、品川祐品川庄司)がヘタすぎて浮いてる。


探偵ガリレオ (文春文庫)予知夢 (文春文庫)容疑者Xの献身


探偵ガリレオ(Wikipedia)
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車輪の下 (新潮文庫)車輪の下 (集英社文庫)車輪の下 (岩波文庫)

実際に読んでいたのはこれだと思います→ヘルマン・ヘッセ全集〈4〉車輪の下・物語集2(1904‐1905)