『高校生のための評論文キーワード100』中山元 #04

  • アナロジー(類推)
    • アナロジーは、異なる事物の間に、類似した関係を探そうとする。比例の関係で考えた場合2:4=7:xならば、すぐにx=14とわかるように。
    • 世界の様々な事象を、自分にとってなじみの事物からの類推で理解しようとすることがアナロジー
    • アナロジーは科学においても試行モデルとして利用される。
    • 思考できないものを思考するために、まず類推関係を築き、次にその類推関係がいかに成立しないかを考察し説明する。例えば神は自分たちのあらゆる認識と創造の力を持ってしても認識できないもであると説明するために、様々な概念を例にとり「神は〜でないもの」という言い方をした。
    • アナロジーは比例のように確実に正しい知をもたらすわけではない。類似していても常に同じではないからだ。
    • アナロジーは思考の道具であるが、考える道筋をあらかじめ作ってしまうので、ゆがめられ誘導させられたり、思考の自由度を狭くさせられる。

思考できないものを思考するための手段というのは面白いですね。思考できないわけだから、結局認識できないわけだけど、それに少しでも近づこうという事なのでしょう。

高校生のための評論文キーワード100 (ちくま新書(542))