小説

「骸列車」倉坂鬼一郎

『鳩が来る家』光文社文庫 所収 この作品は元々『異形コレクションXVI「帰還」』に納められていた一編。倉坂鬼一郎の作品は初期作品をいくつかは読んでいたがこれは久しぶりに読んだ作品。しかし彼らしいオーソドックスな作風の怪奇小説で安心した。 ある男…

「美女ありき」"No Woman Born" C・L・ムーア

訳:小尾芙佐 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 絶世の美女といわれた、歌手でありダンサーであるディアドリは劇場の火事によって命を奪われたかに思われたが… という話し。 テクノロジーが進歩して行く中で、そのテクノロジ…

「鎮魂歌」"Requiem" ロバート・A・ハインライン

訳:白石朗 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 月へ行くことを少年時代から夢見ていた一人の老富豪の話し。まあまでした。

「万華鏡」"Kaleidoscope" レイ・ブラッドベリ

訳:安野玲 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 ブレッドベリらしい素晴らしい作品。ダークでロマンティックなSFの妙。 流星群とともに宇宙を旅することになったストーンのエピソードを読んで、ジョン・カーペンター監督、ダン…

「AL76号失踪す」"Robot AL-76 Goes Astray" アイザック・アシモフ

訳:小尾芙佐 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 アシモフのロボットもの(陽電子ロボットシリーズ)です。 ロボットって何故か愛らしい存在として描かれることが多い気がする。これもそんな感じ。 削岩機で消去された山の後…

「ひこばえ」日影丈吉

『日本怪談集 上』編:種村季弘 河出文庫 所収 とある不気味な家のお話ですが、その家の恐さ、不気味さの表現の仕方が秀逸。この家は住人を食らってしまっているのでは? と不安感を煽るオチの付け方が巧い。恐さを直接描かず間接的に描く。怪奇小説のお手本…

「時の矢」"Time's Arrow" アーサー・C・クラーク

訳:酒井昭伸 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 今読むと途中でオチが見えてきてしまうけど、これが60年近く前に書かれていたと思うと面白い。 現在進行形の時間と過去の時間が遭遇するかのような展開が巧い。20世紀SF〈1〉1…

「星ねずみ」"The Star Mouse" フレドリック・ブラウン

訳:安野玲 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 SFは大好きなのですけど、小説はミステリやホラーに比べたらほとんど読んでいないに等しい。SFに関してはもっぱら解説書とか目録ばかり好きで読んでいました。なので、短編にし…

『ペンギンの憂鬱』 アンドレイ・クルコフ/沼野恭子 新潮クレストブックス

34章(p106)〜47章(p172)まで。 隠れて住んでいる別荘の近くで、盗みに入った泥棒が、家主の仕掛けていた地雷を踏んでしまい、身体がボロボロになって亡くなります。それを発見したパトロール中の兵士も野次馬たちもみなクールです。前回読んだ部分による…

『ペンギンの憂鬱』 アンドレイ・クルコフ/沼野恭子 新潮クレストブックス

1章〜33章(p105)まで。 ウクライナのロシア語作家によるウクライナが舞台の小説。 ウクライナについてはほとんど知識がない。先ず浮かぶのはサッカーのシェフチェンコだ。他に浮かぶものといったら、そのシェフチェンコがいたワールドカップのウクライナ代…

「泣きさけぶどくろ」M・F・クロフォード『怪奇小説 傑作選2』所収

古典的な幽霊譚にして髑髏譚です。話は単純だが怪奇小説としてはこれでいい。しかし舞城王太郎なみの饒舌な一人称で書かれているのですが、これがくどくて読みにくい。何度も挫折しそうになった。スティーブン・キングは過剰な描写して恐怖やスリルを徐々に…

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #15

17Pほど読む。ついにネッドがビュイックを葬ろうと思い切ったの行動に出る。それを、焦りながらも冷静に説き伏せるなサンディ、さすが分署長だけの事はある。

『銀魂』14巻 空知英秋

やっぱこのマンガすごいよ。面白い。 「お妙ちゃんが作り笑顔をするようになったのは、新八が弱いからだ」なんて言われたらショックですよ。 そして今回の最大の見所は、銀時、近藤、九兵衛、敏木斎の四人による、トイレットペーパーをめぐる超濃密な心理戦…

「船を見ぬ島」L・E・スミス『怪奇小説 傑作選2』所収

未来永劫の時、あるいは何百万年もの長い時間を生きなければならない恐怖が描かれている作品が好き。 手塚治虫『火の鳥(未来編)』、荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』第二部のカーズの末路、菅原そうた『みんなのトニオちゃん』の「バイト」の話、小林泰…

「塔」マーガリタ・ラスキー 『塔の物語』所収

塔の中の螺旋階段を上っていく、その恐怖を描いた作品。最初に若くしてなくなった女性と悪魔を信奉していた男の話を出しておいて、後半塔の中で起こる出来事との因果関係をあえて語っていないところがうまい。怪奇小説はこうでなくては。 塔の物語―異形アン…

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #14

9Pほど読む。なんか悲劇的な方向へ展開している!?

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #13

26Pほど読む。サンディがレストランで物思いにふけりながら、ネッドがビュイックのところへ引き返したのではないかと気づくシーンの書き方は凄い。記憶の中から疑問が浮かび上がって、結論へと至る過程。それをネチネチと書き連ねてサスペンスへと変えてしま…

『わがいとしき妻よ、わが鳩よ』ロアルド・ダール『あなたに似た人』所収

ブリッジをやりにくる夫妻を、なんかいけ好かないって理由で、彼らの泊まる部屋に盗聴器を仕掛けてしまうってお話。驚くようなオチというわけでなく恐妻家である夫の悲劇の物語だった。

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #12

14Pほど読む。ビュイックにまつわる話はもう全て終わりと言って警官たちは帰ってしまう。とり残されたネッドの「その後どうなったの??」って感覚は読者も同じだー。でもまだ小説の残り100Pほどあるのでこれから何かが起こるのでしょう。期待。エニスとリッピ…

『帰ってきたソフィ・メイスン』E・M・デラフィールド『怪奇小説 傑作選2』所収

古典的な幽霊の復讐譚と思わせて、最後は人間風刺で終わってしまうというなんというアクロバティックな短編。超自然的なモノの不条理な襲撃の恐怖とかではなくて、無恥であるという人間心理の怖さでした。確かにこれは怖いけど…

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #11

17Pほど読む。目の前で起こった犬の”D”の悲劇の奇妙さよりも、逃走したリッピーがどうなったか? の方が気になる!

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #10

11Pほど読む。いやー、ビュイックの中から不気味なモンスターが出てきて、そいつを倒して、さらにラジオのようなものが出てきて、で捕まえた容疑者が逃走する。この数分間の出来事をキングは実に多くのページ数を使って書くのですが、ただ長いだけではありま…

『みどりの思い』ジョン・コリアー『怪奇小説 傑作選2』所収

奇妙な蘭に取り込まれて植物になってしまった植物学者の話。植物になってしまった後、植物的な心境に変わっていく様が面白い。しかしラストがいまいちですね。

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #09

3Pほど読む(たったの)。こんどビュイックから出てきたものはラジオ??

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング#08

32Pほど読む。ビュイックから出てきたものは『遊星からの物体X』???

『ポドロ島』L・P・ハートリー『怪奇小説 傑作選2』所収

いまいちピンとこなかったが、このような何もかもはっきり書かない書き方が怪奇小説していてとてもいい。

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #07

10Pほど読む。ついに出てきましたよビュイックから変なものが!

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #06

29Pほど読む。やっとなにか大きな展開が起きそう。ビュイックに何が起きているんでしょう!? しかし引っ張り過ぎです。

『兵隊』ロアルド・ダール『あなたに似た人』所収

意味がさっぱりわからない。不覚! (戦争で)発狂してしまった男の一人称で書かれた小説と思っていいんでしょうか?

『回想のビュイック8』下巻 スティーブン・キング #05

26Pほど読む。今回読んだ部分は警察小説っぽくて良い。