小説

「終わりの日」"The Last Day" リチャード・マシスン

訳:安野玲 『20世紀SF2 1950年代 初めの終わり』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 『地球最後の男』など、終末物で有名なマシスンの極めて感動的な終末もの。世界が終わるときに、どう終わりを迎えるのか? 結局男の発想としては、母性に包まれて迎えるし…

「父さんもどき」"The Father-Thing" フィリップ・K・ディック

訳:大森望 『20世紀SF2 1950年代 初めの終わり』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 ボディースナッチャーVS.子供。アメリカの赤狩り時代の狂想。

「今年の生贄」"Victims of the Year" ロバート・F・ヤング

訳:仁賀克雄 『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 ロバート・F・ヤングは好きな作家。西洋的な現代の寓話ってところかな。

「昨夜の魔女」"Yesterday's Witch" ゲイアン・ウィルソン

訳:仁賀克雄 『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 子供時代に戻って恐さを味わえた感じ。この作品が一番ハロウィンらしい小品かもしれない。

「万霊節前夜」"All Souls" イーディス・ウォートン

訳:仁賀克雄 『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 古典的な怪奇小説。最後に突然、記述者の推測が入って終わるが、それも古典的でよい。 ただ、全36ページ中、29ページまで記述者である「私」が女性であることに気がつかなかった…

「輪廻」"The Circle" ルイス・シャイナー

訳:仁賀克雄 『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 面白い。このような永劫の時間を感じさせるタイプの話しは大好き。 タイトルが"The Circle"であるため、登場人物たちが永遠と同じことを繰り返すであることが暗示させられるのだ…

「パンプキン・ヘッド」"Pumpkin Head" アル・サラントニオ

訳:仁賀克雄 『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 極めてありがちなパターンの話しではあるが、ムクムクと少女の顔が変形していく場面はかなりホラーで良い。

「死んだネコの事件」"The Adventure of the Dead Cat" エラリイ・クイーン

訳:仁賀克雄 『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 ハロウィンパーティーがどんな物かピンとこないせいもあるかもしれないけど、何かごちゃごちゃとして、状況がわかりにくい話しだった。クイーンの長編を読んだときにはそんな印…

「神になった男」都筑道夫

『阿蘭陀すてれん 都筑道夫恐怖短編集成2』ちくま文庫 所収 寓話っぽいのだけども、どっちつかずかな。

「青信号」都筑道夫

『阿蘭陀すてれん 都筑道夫恐怖短編集成2』ちくま文庫 所収 読者へ選択肢を残して終わるタイプ。私ならとりあえず車をやり過ごしてからダッシュして拾うだね。

「小鬼の夜」"Night of the Goblin" タルミジ・パウエル

『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 いわゆる、「無垢に見える子供の犯罪」タイプの小説。剃刀の仕込まれたチョコバーを誰かが、食べてしまうのかと思いそれを想像するのが恐かった。作中では大事に至らずほっとした。

「吸血鬼の日」"Day of the Vampire" エドワード・D・ホック

『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 ハロウィンはあまり関係ない話し。吸血鬼の正体もさほど面白いわけではないと思う。

「ひる」"The Leech" ロバート・シェクリイ

訳:浅倉久志 『20世紀SF2 1950年代 初めの終わり』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 寓話的な面白さは、いささか古い感じもするけど、”ひる”の存在が面白く、オチも効いているし、恐さもたっぷりある。

「初めの終わり」"The End of the Beginning" レイ・ブラッドベリ

訳:中村融 『20世紀SF2 1950年代 初めの終わり』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 ブラッドベリのライトサイドを恥ずかしげもなく出した作品。しみじみといい。20世紀SF〈2〉1950年代―初めの終わり (河出文庫)作者: レイブラッドベリ,フィリップ・K.ディッ…

「燭台」都筑道夫

『阿蘭陀すてれん 都筑道夫恐怖短編集成2』ちくま文庫 所収 タイトルと舞台設定で怪談かと思わせて、このオチはスカしてる。まあ都筑道夫らしいともいえる。

「ハロウィーン・ガール」"Halloween Girl" ロバート・グラント

『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 これも素晴らしい読後感の作品。悲しいがロマンティックである。さり気ないオチの付け方がいい。

「十月のゲーム」"The October Game" レイ・ブラッドベリ

『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 ブラックすぎる。というか残虐すぎる。ブラッドベリは元々ダークなテイストを持っていてそこが魅力なのだけど、ここまで残酷なのは他にはないのでは? 自分が一番ん不幸だと思う父親のエゴイ…

「ハロウィーンの殺人」"Trick-or-Treat" アントニー・バウチャー

『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 ちと無理がありすぎる話しかな。訳が良くないように感じられるのは勘違いか?

「いまわしい異種交配」"Unholy Hybrid" ウイリアム・バンキアー 

『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 ありがちな話しではあるが、書き方がうまい。

「ハロウィーン」"Haloween" アイザック・アシモフ

『恐怖のハロウィーン』編:アイザック・アシモフ 徳間文庫 所収 ダイイングメッセージ的な内容の話しはよほど注意して書かないとわざとらしい物になってしまう。これはギリギリかな… プルトニウム=ハロウィーン(悪の勢力が広まる日)というところがうまい…

「現実創造」"The New Reality" チャールズ・L・ハーネス

訳:中村融 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 難解だが、人の認識によってのみ世界が作られているっていう不確定で不安なところをうまく小説にしていると思います。特にラストよって、今の自分のリアルと、小説内のリアルが…

「古いトランク」都筑道夫

『阿蘭陀すてれん 都筑道夫恐怖短編集成2』ちくま文庫 所収 謎がはっきり提示されない、何となく不安なタイプの小品。若さへの憧憬が少し含まれているくらいで、それほど出来がいいわけでもないと思う。

「空気の精」"Le Sylphe ou Songe de Madame de R" クロード=プロスペル・ジョリヨ・ド・クレビヨン

訳:鷲見洋一 『フランス幻想文学傑作選1 非合理世界への出発』編:窪田般弥・滝田文彦 白水社 所収 空気の精(シルフ)と女性との恋愛についての会話。1730年ころはこういった会話がしゃれていたのでしょう。フランス幻想文学傑作選〈1〉非合理世界への出発…

「アン夫人の寡黙」"The Reticence of Lady Anne" サキ

訳:中西秀男 『ザ・ベスト・オブ・サキ 1』サキ ちくま文庫 所収 ちょっとしたネタの小品だけど、それにうまく家で飼われている猫と鳥を絡めて書いているところがミソ。ザ・ベスト・オブ・サキ〈1〉 (ちくま文庫)作者: サキ,中西秀男出版社/メーカー: 筑摩…

「昨日は月曜だった」"Yesterday Was Monday" シオドア・スタージョン

訳:大森望 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 ハリー・ライトはある朝目が覚めると、今日が水曜日であると言う実感を得るのだが、同時に昨日が月曜日だったと言う印象も得る。いったい火曜日はどうしてしまったのだろうと思…

「ベムがいっぱい」"Wacky World" エドモンド・ハミルトン

訳:南山宏 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 僕自身の好きなタイプの物語、SF的だったり、怪奇的だったり、幻想的だったりするものが好きな理由の原点には、小学生のときに体験した4っつの作品の影響が大きく今に残っている…

「高い窓」都筑道夫

『阿蘭陀すてれん 都筑道夫恐怖短編集成2』ちくま文庫 所収 因縁のある人形の話しをちょっと変則的に書いた小品。

「消されし時を求めて」"The Search" A・E・ヴァン・ヴォート

訳:伊藤典夫 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 『宇宙船ビーグル号』や『非Aの世界』で有名なA・E・ヴァン・ヴォート(A・E・ヴァン・ヴォクト)の作品は初めて読みます。奇想で知られる作家なので期待して読んだ。 なる…

「生きている家」"The House Dutiful" ウィリアム・テン

訳:小尾芙佐 『20世紀SF 1(1940年代)』編:中村融&山岸真 河出文庫 所収 家はまさにいきているかのような家で、いわゆるお化け屋敷的な怪談のような感じで始まるのだけど、さすがSF作品だけあって、後にあっと驚く展開をもってくる。それも個人的な…

「阿蘭陀すてれん」都筑道夫

『阿蘭陀すてれん 都筑道夫恐怖短編集成2』ちくま文庫 所収 読んでも読んでも読み終われない謎の本の話し。”阿蘭陀すてれん”という聞き慣れない言葉がどう関わって来るのか? タイトルの付け方、最後の落とし方、都筑道夫の絶品芸です。さすが。 本にまつわ…